先日、ヤフオク!で HPE の ProLiant MicroServer Gen10 という一世代前の小さなサーバ機を調達してきました。
今まで CentOS だの Ubuntu だのでサーバを建ててみたりしていたものの、実は RAID を組んだのは自宅に転がっている LinkStation だけという有様で……。
というような中で、わからないなりに RAID を組んでみようとした際にはまったお話を、備忘録としてまとめておきます。
結論を先に書いておくと、サポートページ通りに進めたらいきなり出鼻をくじかれて、結局 BIOS の更新が必要だったという話です。
標準環境で RAID をサポート!
RAID も知識としてあるだけで実際に触れたことは無いので、色々と調べてみたところ、真っ先にこのページがヒットしました。
そこにはとても嬉しい記述があります。
Micro Server Gen10には全モデルに標準でMarvell 製コントローラー (88SE9230) が搭載されています。 SATA HDD を 4 台まで接続可能で標準で RAID 0、1、1+0 をサポートします。
https://support.hpe.com/hpesc/public/docDisplay?docId=a00058208ja_jp&docLocale=ja_JP
とのことなので、HPE が出している50,000円くらいのお高めなコントローラを買わなくて良さそうです。
Marvell BIOS Utility へアクセスするために
先のサポートページによると、内蔵ストレージコントローラ ROM に組み込まれたMarvell BIOS Utility(MBU)というユーティリティにアクセスすることでRAIDを組めるようです。
そこで、さっそくページに書かれているように作業を進めてみました。
ui64.efi のダウンロード(失敗)
散々申し上げていますが、この方法だと上手くいきません。
サポートページでは「ui64.efi というファイルをダウンロードして、これを USB メモリに入れてね」という案内がなされています。
しかし、いざダウンロードURLに飛ぶものの、すでにこのファイルは存在しないものとなっているのです。
「まずダウンロード、そのあとRAIDを組むよ!」というサポートページの構成にもかかわらずいきなり出鼻をくじかれ、ひたすら存在しない ui64.efi を探す旅に出たのでした……。
RAIDを組んでみたかっただけなのに。
BIOS のアップデート(成功)
旅といっても数時間くらいでしたが、まさに五里霧中という感じでどうして良いかわからず、”ui64.efi” で延々と検索してみたりしたものの収穫はゼロ。長丁場を覚悟しました。
ただ、今更ながらひらめくことがあったのです。そう、Marvell BIOS Utilityに入るために ui64.efi が必要なのであって、別に ui64.efi が欲しいわけではありませんでした。
そこで Marvell BIOS Utility や MBU という単語で検索を始めると驚きの連続です。いとも簡単に HPE のサポートセンターが提供しているユーザガイドを発見しました。
いったいなぜユーザガイドを探すという初手で済ませておくべきな調査をしなかったのか……と割と落ち込みつつ、中身を漁ります。
70ページを確認すると、次のように書かれています。
UEFI シェルプロンプトからRAIDコマンドを使用してMBUにアクセスするためには、システムBIOSバージョンA330以降が必要です。必要に応じて、システムBIOSを更新します。
https://support.hpe.com/hpesc/public/docDisplay?docLocale=ja_JP&docId=emr_na-c05355808
どうやら RAID とコマンドを叩くだけでMBUにアクセスできるようです。
確認したら手元の機器はA330より前のバージョンで、「システムBIOSを更新します」というところで少し何とも言えない気持ちになりましたが、アップデートすることにしました。
ユーザガイド通りにUSBメモリへ必要なファイルを入れて、 UEFI: Built-in EFI Shell から flashbios.nsh コマンドを叩きます。
その後、再起動した上で RAID コマンドを Built-in EFI Shell から叩くと無事(?)にRAIDを設定できるようになりました。
おわりに
紆余曲折を経て何とかRAIDの設定に辿り着くことができました。
どうも2018年からやり方が変わったようで、アドバイザリが出ていました。
きちんと書いていますね。A330に更新することでMBUにアクセスできるようになる、と。
個人的にBIOSの更新はあまり得意でないというか、勝手に苦手意識を持っていたので良い経験となりました。